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流山と迷われた街
流山市の転入者アンケートには「他にどの街を検討しましたか」という設問がある。8年度分・4,135人の回答を数え上げると、流山と最後まで比較されていた街の輪郭が浮かぶ。不動産ポータルの「人気エリア」ランキングには出てこない数字である。
- 1位
- 柏市602件
- 2位
- 松戸市390件
- 候補地なし
- 約3人に2人66.6%
この数字の出どころ
- 素性
- 標本調査
- 単位
- 件(複数回答)
- 母数
- 4,135人
- 時点
- 2018〜2026年度/8年度分・2024年度は欠測
- 取得
- 2026-08-12
候補に挙がった街トップ12
2018〜2026年度の合計。同じ街を挙げた回答を年度をまたいで足し上げてある。
1位の柏市は602件で、2位の松戸市(390件)を212件引き離している。3位の三郷市(148件)と比べると4.1倍で、流山を検討した人にとって柏市は別格の比較対象だったことがわかる。
上位3市の年度別推移
柏市・松戸市・三郷市それぞれの、回答者数に占める割合の推移。
柏市は集計を始めた2018年度から一貫して首位を保っており、単年の突出ではなく毎年繰り返し比較されてきた街であることが分かる。松戸市も同様に毎年上位に入り続けており、この2市が流山の「実質的な競合」として定着している。
「候補地なし」が回答の多数派だった
候補地の設問に一つも回答しなかった人は、8年度合計で2,752人。総回答者4,135人の66.6%にあたり、約3人に2人が候補地を一つも挙げていない計算になる(明示的に「なし」と答えた人のほか、この設問に何も書かなかった人を含む)。年度別に見ても62.6%〜71.1%の幅で推移しており、60%を下回った年度は一度もない。首位の柏市(602件)と比べても4.6倍の規模であり、単独の項目としては「候補地なし」がもっとも多い「回答」だったことになる。
この数字の読み方
候補地の設問は複数回答で、1人が複数の市を挙げられる。だから単位は「件」であり、人数ではない。8年度分の回答者4,135人のうち2,752人(66.6%)は候補地を一つも挙げておらず、候補地の延べ2,118件(トップ12以外の市を含む全体)は残る1,383人が挙げたものである。挙げた人に限れば1人あたり1.5件になる。上の「上位3市の年度別推移」で市ごとの割合が低く見えるのは、この構造による。分母は候補地を挙げなかった約3分の2を含む回答者全員だからである。
転入元の設問は単一選択で、1回答が1人にあたる。単位は「人」。市別ページの2本の折れ線は、この単位の違う2つの数を、その年度の回答者数を分母にした割合で並べたものである。「同じものの内訳」ではなく、別々の問いへの答えを同じものさしに乗せている。年度によって回答者数が276人から1,187人まで4倍以上違うため、市別ページは件数ではなく割合で描いている。
ある市と迷った人が、なぜ最終的に流山を選んだのかは元データから復元できない。アンケートの集計は設問ごとに独立しており、「候補地」と「選んだ理由」を突き合わせたクロス集計が存在しないためである。「選ばれた理由」は回答者全体の集計であって、特定の市と迷った人だけの傾向ではない。
候補に挙がった件数と、実際に来た人数の比
同じ市について、候補地として挙がった件数を、実際にその市から転入した人数で割ってみる。件を人で割った値なので「何倍」という意味は持たないが、同じ回答者集団を分母にした2つの数の大小としては読める。候補地が30件以上ある12の市区で、この比はつくば市の0.44から三郷市の4.77まで10倍以上開く。1を上回る市は、最後まで迷われたわりに、そこから移ってくる人が少ない。1を下回る市は、候補には挙がりにくいのに、実際にはそこから来ている。
| 市区 | 候補地件 | 順位 | 転入元人 | 順位 | 比件÷人 |
|---|---|---|---|---|---|
| つくば市 | 34 | 11 | 77 | 9 | 0.44 |
| さいたま市 | 34 | 10 | 63 | 10 | 0.54 |
| 足立区 | 69 | 6 | 101 | 4 | 0.68 |
| 市川市 | 58 | 8 | 80 | 7 | 0.72 |
| 船橋市 | 78 | 5 | 85 | 5 | 0.92 |
| 野田市 | 59 | 7 | 61 | 11 | 0.97 |
| 越谷市 | 33 | 12 | 33 | 29 | 1.00 |
| 松戸市 | 390 | 2 | 227 | 2 | 1.72 |
| 柏市 | 602 | 1 | 277 | 1 | 2.17 |
| 八潮市 | 96 | 4 | 42 | 18 | 2.29 |
| 守谷市 | 45 | 9 | 17 | 53 | 2.65 |
| 三郷市 | 148 | 3 | 31 | 31 | 4.77 |
1を下回るのは6市区で、いちばん低いつくば市は候補地34件に対して転入77人。候補に挙がった件数より、実際に移ってきた人数のほうが多い。ちょうど1は越谷市の1市で、候補地の件数と転入の人数が同じである。1を上回るのは5市区で、いちばん高い三郷市は候補地148件に対して転入31人。候補地では3位なのに、転入元では31位まで下がる。ページを持つ上位4市はいずれも1を上回っており、「最後まで迷われた市」と「実際に来ている市」は同じではない。
上位4市を個別に見る
候補に挙げられた件数の上位4市については、年度ごとの推移と、その市からの転入者数を並べたページを用意している。
転入者アンケートの続き
- どこから来ているか ── 転入前の居住地
- 選ばれた理由の8年間 ── 流山を選んだ理由
- 転入者の実像 ── 年代と世帯構成